メディア情報学部の教員・授業・催し・施設・先輩等々の魅力について、メディア情報学部でマスメディアを学ぶ学生記者が取材し、レポートします。
主にジャーナリズムやマスメディア関連の授業を担当する瀬戸純一(せと・じゅんいち)教授は、駿河台大学に赴任してほぼ10年。それまでは30年余の間、毎日新聞社の記者をしていた。
長い記者生活で、記憶に残るできごとを伺うと、「たくさんあるが...」と前置きして、二つ挙げてくれた。
一つは、大阪社会部勤務だった1979年に起きた三菱銀行人質事件。猟銃を持った男が銀行支店に押し入り、警官や行員4人を射殺したうえ、大勢の行員を人質にとり、立てこもった。男は42時間後に射殺されたが、何とも凄惨な事件で、先生はやりきれない思いで2晩徹夜をして取材したそうだ。
もう一つは、論説副委員長時代の2003年に起きたイラク戦争開戦時の社説。米国によるイラク攻撃を支持するか否か。国際世論同様、論説委員の意見も大きく分かれたが、長時間の議論を経て、「見切り開戦は支持できない」との社説を掲げ、社としての姿勢を打ち出したことが印象に残っているという。
大学に赴任するきっかけは、教授をしていた先輩の論説委員が退任するときに声をかけてもらったことらしい。まったくもって思ってもいなかったそうだ。やってみると、やりがいのある仕事で、若い人たちと過ごすのは充実していて楽しいと笑顔で語っていた。
授業に対して心がけていることは、現実に起きている問題を取り上げること。それに対する一般的な見方、解釈を押し付けることはせず、自分で考えてもらうようにすることだという。瀬戸先生の授業を受けたことがあるが、授業で取り上げていたのは自分たちの身近にある問題がほとんど。置いていかれるようなことはなく、しっかり考えて自分の答えを出せるものばかりで、とても充実していたのを覚えている。先生の真剣なまなざしと語り口に圧倒されてしまった筆者は、この場の空気を変えるために、趣味を伺った。
すると先生の顔は、ゆるゆるとしたものに変わっていった。趣味は、食べること、旅すること、本を読むこと、それとスポーツ観戦。野球は、東北楽天ゴールデンイーグルス、サッカーは、柏レイソルを熱烈に応援しているそうだ。負けたら次の授業に響く、と冗談交じりに答えてくれた。
最後に学生へのメッセージをお願いすると「叩けよ さらば開かれん」という言葉をいただいた。大学にいることはとても恵まれていて、ヒントは色々なところに落ちている。駿河台大学には、頼りになる先生方と優れた施設があり、自分から求めていけば、答えてくれるだろう。道は開けるだろう。大学にはたくさんの可能性があるのだ。
<参照記事>
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