メディア情報学部の教員・授業・催し・施設・先輩等々の魅力について、メディア情報学部でマスメディアを学ぶ学生記者が取材し、レポートします。
音響分野の中核科目の一つ、「音楽情報処理演習」を担当するのは、大久保博樹(おおくぼ・ひろき)准教授。専門は、映像音響や音響演出で、まさに、音響のエキスパートである。メディア情報学部では、ほかに音楽情報処理演習やサウンドデザイン演習、音楽情報論といった講義を受け持つ。
音楽情報処理演習は、2・3年生に対する配当科目。パソコンによる音声ファイルの扱いと処理、デジタルミュージックの基礎、DTM(Desk Top Music)のワークフローをおおむね理解できるようになることを目指す。
自分のお気に入りの曲を使用して、音声ファイル形式による音の違いを聞き比べたり、Garage Band という音楽制作ソフトを使用して、簡単な楽曲の一部を制作したりする。私もこの演習を受講したが、大久保先生には、実に丁寧に説明していただき、最後まで興味深く取り組むことができた。PCが苦手だという人も、楽しみながら音響の分野の理解を深めることができるだろう。大久保先生はこの演習を通じて「デジタルの音楽を聞く楽しさを感じて欲しい」という。少しでも音楽が好きな学生にはオススメの授業だ。
音響分野の先生になったきっかけをおうかがいすると、「正直に言ってしまうと、流れです」(笑)。最初から音響の仕事を目指していたわけではないというのは、とても意外で驚いた。
しかし、音楽が大好きだったことは、間違いない。学生時代は、ピンク・フロイドなどのプログレッシブ・ロックを中心に音楽アルバムを1年に100枚は聞いた。当時はあちこちにあった音楽喫茶にも足を運んだという。「最近は忙しくて、音楽鑑賞に費やす時間がない。危機感を覚えています」と苦笑する。もともとはデジタル映像制作を学んでいた。大学院のゼミの指導教員がラジオ局のプロデューサーの方。そこで、音響効果の制作の指導も受け、並行してやってきたことが音響の道に進むきっかけになった。「本当は、映画監督になりたかった」と大久保先生。「それは今でも夢です」。
学生には視野を広くもって欲しいという。「例えばインターネットの検索で出てきたものが全てではない。検索で出てこないものとか、自分の知らないところで起きていること、もしくは知らないものが絶対あるっていうところを常に忘れないように。それが自分で何か行動を起こしたり、ものをつくったりするときには大きなポイントになる」と熱く話した。
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